9月 11th, 2014

アンケート調査、世論調査

メディア関連, 自治関連, by admin.

 何かを行うため、その根拠が必要となる。その根拠として、アンケート調査や世論調査を行う。ただし、何のために行うのか、責任の所在はどこにあるのかによって、これらの調査の意味が大きく違ってくる。調査の結果によって実施を断念する、という想定があるならばいいが、最初から実施ありきで調査の結果が実施の根拠になるよう、調査項目や文言を意図的に調整していることが多々あるのである。
 アンケート調査や世論調査が報告や公表された場合、それをどの程度信用していいのか、その調査の目的を確認するだけでなく、その調査の調査票も確認する必要があるのである。

 例えば次ぎのような設問がある。

(ア)あなたは○○内閣を指示しますか?
する しない どちらともいえない

(イ)あなたは改造後の○○内閣を指示しますか?
する しない どちらともいえない

この設問の答えはどちらも内閣支持率に使われるとする。
ところが(ア)と(イ)では支持率が違ってくるのである。
(ア)の場合、○○内閣を何かと比較せよとは言っていない。問われた人は自分で何かと勝手に比較したりする。それは過去の内閣かもしれないし、自分が理想的に描いた内閣かもしれなし。もちろん、比較するのではなく、仕事をしているかどうかなどから判断することもあるだろう。いずれにせよ回答のための基準は回答者によって様々だ。ところが(イ)の場合はその基準が大幅に必然的に狭められる。「改造後」のと問われれば「改造前」と比較する人の確率が増えるからである。いつ調査をするかにもよる。改造直後の実積もなにもない中での設問ならば、回答者が判断するのは期待感の有無でしかない。期待感が良い方向に作用すれば、答えは「指示する」に傾くのである。ある新聞社が与党を指示しているとしよう。その新聞社は(イ)の設問を出すこともあるのである。

 ちなみに新聞社を中立公正と考えるとのは誤りである。何かを発信する場合、必ず何かの見方があり、何かのメッセージがある。新聞社も経営があるため、読者は減らしたくないし増やしたい。そのため極端に偏っては見せない。しかし、ボクシングでいえばジャブのように主張しているのである。大切で重要なことは読者が新聞の情報を読者自身のものとするように読者自身で判断する力を持つことである。正否をすぐに結論づけろ、ということではない。前述の調査の結果であれば、それをどの程度の重みで自分の中に位置づけるか、なのである。

 

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