人は言語を扱うことができるようになったことでお互いに協力しながら狩猟を行うことができるようになった。それで氷河期を生き伸び、今日まで進化してきた。コミュニケーションにとって言葉が重要なことは言う迄もない。ただし、これををコミュニケーションにとって至上のものと考えるのは早合点である。言語の利用に長けた者が苦手な者を蔑むことがあるがそれは自らの愚かさを表明しているにすぎない。
「目は口ほどに物を言う」とか「言葉にできない」などがあるが、これはコミュニケーションにとって大切なものは何であるかということを物語っている。「言葉」はコミュニケーションにとってひとつの方法であり、その作用には限界があるのである。
こういう認識をしっかり持ち、バリアフリー(社会的弱者が暮らしていくうえでの障壁がないこと)の社会を目指すならば、ある一つの物事を誰かに伝える時でも多くの配慮が必要であることはわかってくるだろう。「ホームページ上で公表していますから」では何の解決にもなっていないことが多々あるのである。